冬はみかんが美味しい季節です。
この季節になり、みかんを食べていると思い出すことが有ります。
古い話になりますが、まだ祖母が健在の頃の話で、冬になると親戚からみかんが箱で送られてきます。
私たち子供は大喜びで箱を開け、幾つものみかんを取り出して食べました。
祖母も幾つかのみかんを手に持ち、台所へ行きます。
大きな鍋に水を入れ、コンロに乗せ火をつけます。
そこへ、二つに切ったみかんを幾つも入れて沸かしていました。
グツグツ時間を掛けていると、みかんは柔らかくなりボロボロと実を崩していくほどです。
その後は、丁寧に細かくなった実を取り出して、いくつものビンに分けて煮汁を入れます。
ここまでで判断すると、料理に使う調味料にと思われる方も多いと思います。
実は、祖母は化粧水とでも言いましょうか、朝・晩、洗顔の後にガーゼに染込ませ顔や手足を拭くようにしていたのです。
私も子供心で臭いを嗅いだことがあるのですが、みかんの臭いだけです。
祖母に理由を聞くと、「お肌がスベスベして、白い肌になるのだよ」、または、「吹き出物にも効く薬にもなる」と言っていました。
昔の人なので、現在のような化粧品が無い時代に過した女性です。
みかんがビタミンCやA、あるいはその他の栄養素があるということを自然に理解していたのでしょう。
確かに、みかんの優れた栄養素が美容に適しているということは知られています。
祖母のやっていたことが、本当に効果が有ったのかはわかりません。
しかし、今思えば祖母は、白く綺麗な肌をしていたように思います。